毎月恒例、7日8日(なんかようか)のお手入れ日和に、というか近頃はこの日を待って、今月もたくさんきものや帯をお持ち込み頂きました。
その中の一枚、白茶色の縮緬地に抽象的な花柄が上品な写真の付け下げ。
「これ、覚えてますか?」
「そりゃあ覚えてますとも!」
そう、この一枚は僕たちの結婚披露宴に御出席頂くのを前に、「せっかくの御祝儀ですもの、記念に一枚」と誂えて頂いたもの。「実はあの日一度しか袖を通してないんだけど、きものが好きな姪に譲ろうと思って」と残念ながら出番は15年前の一度っきり。ですが毎年虫干しをして大切に保管されていらしたので、とっても良い状態でした。が、衿元と上前の膝上あたりにポツンとポールペンのインクでも付いてしまったかのような小さなシミか変色が2箇所。
お客様が手放されるのはとっても寂しいのですが、次の持ち主がきもの好きで大切にお召し頂けるのであればすべてよし。