紙漉思考室との御縁。

 喉から出た手が、手漉き和紙でできたクラッチバッグを手中に収めました。
 唐津市北波多にある草伝社で本日まで開催されていた、写真家・伊東俊介さんがありのままを写してくれる出張撮影会「いとう写真館」と紙と真摯に向き合う前田崇治さんが唐津市七山に工房を構える紙漉思考室の展示会に足を運んでのこと。伊東さんにはいつの日か我が家自慢の笑顔たちをファインダー越しに見せつけてやりたいと思っているのですが、残念ながら今回もその機会に恵まれず。なので紙に照準を合わせて訪問。
 きものの世界でも和紙を糸状にして織り込んだ紙布[しふ]や、和紙そのままを布のように仕立てる紙子[かみこ]とまぁまんざらでもないんです。が、風にそよぐ手漉き和紙ののれんをくぐった途端に心を奪われてしまいました。はじめてお会いした前田さんともゆっくりお話しすることができ、滲み出る和紙愛に僕まで包み込まれてしまいました。ひと目惚れしたクラッチバッグ、値札に使えそうな裁断後の余り紙を購入。こぼれ落ちそうなよだれをグッと堪えて飲み込んだ縦揉みの和紙は、次回のお楽しみに。
 この御縁はとーっても嬉しくも有難くもあるのですが、自身の専門職としての知識や意識、理念や戦略の無さを痛感させられてしまいます。僕ももっももっと糸のこと、生地のこと、染めのこと、織りのこと、商いのこと、経営のことなどに一層精進せねば。ということで素晴らしい御縁を繋いでくださった草伝社の原さんには感謝するばかり。
 整いましたー、クラッチです。

紙漉思考室http://shikoushitsu.jp
 唐津出身の前田崇治氏が土佐和紙に魅せられ、高知で手漉きによる紙作りを学び 2007年から独立して唐津市七山で紙を漉いている工房。「紙は素材であり表現手段」と位置づけ、使う場所や用途によって異なる紙への要望には、培った知識と技術で柔軟に応えてくれる。
 「こんな紙を創ってみたい」 との言葉を心待ちにしている。

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