結城縮の地入れ。

 「むっっか〜しに母が買っていたものです」と、永い永い眠りから目覚めた結城縮。
 手で糸をつむぎ、人の手で機を使って織られた、いわゆる手織りの中でも日本を代表する絹織物の結城紬。大きく分けて2種類あり、糸に撚りのかかってないものを結城紬、糸に撚りのかかったものを結城縮と呼んでいます。さらに地機と高機(地機よりもやや簡易的な同じく手織りの機)で織られたものがあり、結城紬技術保存会の厳しい検査を通過しものに限り証紙が貼られています。現在は紬か縮か、地機か高機かによってラベルの色などを変えていますが、写真のはまだ色を変えていない平成17年6月以前のもので、正真正銘の結城紬であることに加えてそれ以前のものだということがわかります。が!結城紬か縮かは手触りで判断するほかありません!
 ということで、正真正銘の結城縮でっす!古いものとは言え、まだ糊気たっぷりの張りのある反物。一般的な紬ならお湯をくぐらせて生地(地の目)を整える「湯通し」という加工に出すのですが、結城紬に限っては違います。生まれ故郷である結城に里帰りをさせて、ぬるま湯を張ったたらいに少しずつ生地をくぐらせて感触を確かめながら一定の張りを保てる程度のほんの少し糊気を残して洗い上げます。最後に地の目を整えた後、こちらに戻って来ます。この加工を「地入れ」とい言い、出した時の硬さが嘘のように柔らかく、まさに真綿のような感触になって戻って来るんです!今回もそう!
 近く八掛の色を選んで頂くためにお仕立て前に一度お客様にご覧に入れますが、慣れてない方だとこの柔らかさには驚かれることでしょう。
 結城縮かぁ、僕が袖を通す日なんて夢のまた夢だな。

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