「遠くで暮らす娘の厄除けに、帯を買ってあげようと思って、」と、ご夫婦がご来店。
ご存知の方も多いと思いますが、昔から「長いもの」を「長寿」に掛けて帯やネックレスなど長いものを贈る風習があります。が、残念ながら弊社では近年めっきり少なくなって一年に一度か二度ほどお尋ねがあるかないか。といった具合。
そんな中、本日のご夫妻は車で40分ほどかけてわざわざやって来て下さいました。「失礼ですが、どうして池田屋へ?」と尋ねると、お互いに目を合わせてニコリとされた後に「実は、私たちが結婚する時に結納として主人のきものをこちらで誂えたんです。その時の接客してくださった男性の方の応対がとても良くて印象に残っていたものですから、買うならこちらと決めていました」と、写真のなごや帯をお誂え頂きました(涙)。おそらくお話から推測すると先代の社長ではないかと。
「かれこれ36年ほど前のことですよ」
毎日の接客に心を込めているか、今一度自分に言い聞かせる良い機会となりました。