初心忘るるべからず。

 僕の第二の故郷である兵庫県は丹波篠山を訪ねました。九州よりひと足遅い満開の桜が出迎えてくれました。
 以前にも紹介したことがありますが、大学を卒業後に家業を継ぐべく商いの勉強をするために、兵庫県篠山市にある三國屋呉服店という小売店で3年ほどお世話になりました。聡明で温厚な社長をはじめ、商い好きで頓知の効いた大奥様、お客様のために真面目一筋な常務、お母さん代わりだったおばちゃんコンビ、口うるさいけど商い上手は天下一品の店長、と長年コンビを組む姉さん、きものの名称や構造を憶えるのには手っ取り早いからと、パートでいた仕立ての姐さんにお願いして定休日の度に自宅におしかけては自分の浴衣を、翌年にはお母さん代わりのおばちゃんのも仕立てました。すべてが僕の商いの礎。特に常務には心を、店長には頭を鍛えられました。もうかれこれ約20年前のこと。
 実はこのところ、仕事のことで何となくやるせない自分がいました。そこへ奇遇にも飛び込んできた町内会の神戸〜倉敷旅行。昨年末に他界された大奥様の御葬儀に参列することもできなかったので、ここは千載一遇と決心。午後出発の先輩方より先に唐津を発ち、篠山へと先回り。大奥様に手を合わせ、社長に近況を報告、現在は退社されてすっかり農夫となられた元常務とは満開の桜を愛でながら雑談、相変わらずの店長+姉さんとは昔話しに花が咲き。思い返せば返すほど、現在の僕があるのは三國屋呉服店というお店と、お店を支える素晴らしい方々に可愛がってもらったからだと沁々。
 いま最も足りない"がむしゃらさ"を篠山に置き忘れていました。

2年半勤めて店長に鍛えられた三國屋三田店。

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