蘇る結城紬。

 一昨年前の秋ににタンスの整理で伺ったお客様宅で見つけた、手負いの結城紬
 今となっては1年に数10反しか織られなくなってしまった、つまり手にしようと思ってもなかなかお目にかかれない、手に入れようと思っても福澤先生が150人以上は揃わないと手に入れることができないような逸品。だというのに残何ながら全体に茶色い斑点が…。もちろん少々お金がかかっても手を入れてお召しになるべし!と提案しました。
 当初は洗い張りとシミ抜きをして、できるだけこの色と柄のままお召しになれるようにと見積もりを取ったのですが、かかる技術料が想像をはるかに超えたために断念。しかしこのままにしておくのは勿体ない!そこで、結城市に里帰りをして洗い張りの後、茶色い斑点が見えないほどの濃い色に染めることを再提案し商談成立。お似合いになりそうなオススメの色にもご了解を得て、本日素敵な色に染め上がってきました!
 茶色い斑点が見えなくなったのはもちろん、絣で織られた菊唐草がかすかに浮かび上がり、結城独自の光沢もそのままに。一見無地に見えたり、実は絣の柄が入っていることがさりげなく見えたり。うーむ、素敵。
 この勇気あるご決断に拍手を送りたい。

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