おそらく僕が産まれた頃の話。
「当時、社員全員に色違いで誂えてくださったのよ〜。展示会の時にこれを着て店頭に立って、朝からお客様を呼び込んでいたことを思い出すわ」とは、以前弊社に勤務されていたおばちゃん。「箪笥を整理していたら懐かしいきものが出てきたんだけど、お嬢ちゃんにあげようと思って」のお嬢ちゃんとは、何を隠そう僕の愛娘のこと。生地も痛んでないし、カビもシミもないし、単衣だけど少し厚手の紬でこれからの季節も着れそうですし。来年のお正月はこれに白地の染め帯でも結んであげよっかな。
電話番号が下四桁のみでさすがにずいぶん古いとは言え、畳紙も状態が良い。