運命の帯。

 不思議とよくあるんですよね、なので決まって助言するんです。「売れてしまったらいけないから、念のため売り場に並べずに取っておきましょうか?」と。
 お客様が目につかれてご購入を悩まれる品物は、なぜか数日うちに他のお客様がお気に召して、お嫁入りすることしばしば。今回も例外ではありませんでした。
「白と淡い若草、どちらの帯にするか悩むので、日を改めて合わせたい浴衣を持って来て決めます!」
「念のため取っておきましょうか?」
「結構です。欲しい方が現れたらそれはそれで御縁だと思いますから」
次の日、白い帯がそのお客様とすれ違うようにご来店頂いたお客様のものになったのは言うまでもありません。
「やっぱり御縁なんですよ」と手にされたのが、写真の淡い若草色の紗の博多織
「すごく素敵なんですけど、私なんかが結んでいいのかな?」と自信なさ気。
「ご実家に眠っていたという本格的な絞りの浴衣には、この紗の博多織が相性抜群。それにお客様ももう大人女子ですから、十分に着こなせますよ。」と若女将。付き添いで東京からいらした元気モリモリお母様も「上品で素敵!」と太鼓判。絞りの浴衣のお仕立ても併せて承りました。
 みなさまの運命の帯やいかに、、、ご来店をお待ち申し上げます。

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