息を吹き返した訪問着。

160520 染め替えでお預かりしていた訪問着が上がってまいりました。
 お客様からご相談を受けた時には、瑞々しかったであろう浅葱色が汚れやヤケ、カビや黄変などで乾ききっていた訪問着。たくさんあった柄を糊で伏せ、引き初め(刷毛で地色を染め)、家紋を修正、金彩加工に手を加え、穴の空いていたところを掛け継ぎ、最後に生地の目を直すというそれぞれの職人の技が結集して新品のような瑞々しさに。しかもお洒落にお色直し。ちなみに浅葱色を焦茶に染め替えるには、(白生地から染めるのとは訳が違い)ただ焦茶で染めるのではなく黄や緑などを加えてお客様のご希望の色に合わせるという職人のなせる技。
 こうして受け継がれるきものは、新しいきものよりも何万倍の価値があるのではないでしょうか。

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